「女性蔑視発言で辞任の意向を固めた東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)が後継として指名した、日本サッカー協会(JFA)相談役の川淵三郎氏(84)が一転、会長職を辞退する考えを示していることが12日、分かった。」引用出典:日刊スポーツ2月12日
昨日、川渕さんが森会長の後任として決まったニュースをみて「ああ、なるべき人になったなー、川淵さん、本当に頑張ってください!」と、思っていた矢先、このニュースに触れて、「おいおい、本当に世の中おかしくなってきてるで!」と思った次第。
辞退の理由としては「森会長の影響力が残る」から、らしい・・・。
正直、まだオリンピック開催の1年前や2年前のタイミングならいざ知らず、もう1か月後位には大まかな方向性を決めなければならないタイミングで、今までの流れを全て断ち切って、ゼロベースで物事を進められる段階は、とうに過ぎていると思うのです。
であれば、きちっと流れを引き継いだうえで「しかるべき場所へ着地させる」川淵さんのやり方は、実にまっとうな、理にかなった方針ではないでしょうか?
もちろん、以前のブログ「森元総理のオリンピック関連の失言に想う」でも触れたとおり、森会長の発言は、その立場を考えれば、あまりに軽率すぎて、擁護できるものではないとは思います。ただ、そもそもこの「発言」に対して問題視されてるだけであって、森会長体制で、いままで進められてきた方向性に問題があるという話ではなかったはずです。
であるなら、それ(森会長の人柄)とこれ(これから多方面に調整すべき実務)は、切り分けて考えるべきじゃないでしょうか。これらを混同して「森会長の流れが引き継がれるのはけしからん」と批判をされる方々は、この限られた時間の中で
「それでは、誰に任せて、その人間がどのように着地させられるのか?」
という出口戦略をもって批判されてるのかはなはだ疑問です。
また、「年寄(森会長83歳)から年寄(川淵さん84歳)」と揶揄して、「もっと若い人間にさせろ」や、「女性にさせろ」との意見も聞きますが、はなはだピントのずれた意見だと思うんです。そもそも「適任(と考えられる人)者」が職務を担うべきであって、そこに「老若男女」は全く関係ない話ではないでしょうか。
さらに、この記事では橋本聖子さんが候補に挙がっていますが(女性であり、元アスリートでもあるのが理由でしょうか)、自民党の政治家である立場を考えれば、むしろ川淵さん以上に前森会長をむげにはできず、苦労なさるのではないでしょうか?
いづれにしても、オリンピックパラリンピックを無理に開催しようとすれば非難をされ、また延期・中止にしようものならこれも非難されと、まさに「火中の栗を拾う」ごとき難役を、国のため、人生最後の仕事として取り組もうとされていた「川淵さん」に対して、失礼極まる仕打ちとしか思えない、昨今の風潮に
「この国は、いつからこんなになってしまったのか?」
と思わずにはいられないのです。
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